印刷物で美しい黒を表現する

はじめまして。ブログなど書いた事のない、Twitterフォロワーが1人の社員1ごうです。

今回は印刷物で美しい黒を表現するポイントを紹介します。


スミ100%と4色掛け合わせの黒

印刷業界では黒を墨(スミ)と言い墨100%を(スミベタ)と言います。

黒と言ってもスミ1色の黒と、色の掛け合わせて作られた黒があります。(細かく言うと特色もあります)

元々RGBで作成されていたデータをCMYKに変換したらスミが4色掛け合わせになる事はよくあります。またスウォッチで黒色っぽいのを適当にポチポチ選んでいると、違う%の黒が複数出来ている事があります。

掛け合わせの黒は色が複数混ざっているので、小さい文字などは輪郭にシャープさが無くなり、版ズレの原因や、色が混ざって赤みのある黒だったり、黄色寄りの黒だったり、青と混ざると深みのある黒に見えます。

またインキの乾きがスミ1色より時間がかかります。

スミベタのパーツの背景に別の色が入っている場合

当社では版ズレを防ぐために、RIP(簡単に説明すると印刷データ変換機。以下RIP)でスミ版を強制的に乗せる処理を行っています。

この処理のおかげで、例えば赤い背景の上に小さい明朝のスミ文字が抜き合わせで作成されていたとしても、スミノセに変換されるので版ズレを起こさずに印刷できます。

ですがスミが全部同じ背景に乗っていればいいのですが、大きいパーツの一部分だけしか乗っていないと色の差が出てしまいます。(上図の葡萄の天ぷら参照)

そのような時は、スミのパーツの下に0.1mm小さく作ったパーツを色0%にして配置します。そうする事で0.05mmづつ背景色とスミベタが食い込んで版ズレを防ぐ事ができるのです。(次の図の葡萄参照)

上記で紹介したやり方が難しい場合

パスが多く複数色のパターンの上に乗っている場合や、マスクやグループ化を多用し複雑な作りをしている時は下に白を配置してもうまく抜き合わせにならない事があります。

ではどうするか、一番上のスミベタに他の色を1%足せば抜き合わせになります。1%でも他の色が入っていればスミノセになる事はありません。

しかし、版ズレの可能性があるのでこのやり方は最終手段です。この他にも背景色+スミベタで作成したり、RIPで強制的にスミノセにせずにデータ処理したり、様々なやり方があります。


【まとめ】色を配置する階層をマンションに例えてみましょう。

7階に伏黒さん、6階に赤海さん、5階に真緑さんが住んでいました。

そこに新しく、白玉さんが6階に住みたかったので赤海さんを5階へ、真緑さんを4階へ引っ越してもらったのですが、いざ白玉さんが引っ越してみるとそこは5階でした。なぜでしょう?

7階伏黒さんと6階赤海さんはメゾネットのお部屋だったのです。(ロフトでもよし)

伏黒さんと赤海さんの間に入るには大がかりなリフォームが必要だったので白玉さんはそのマンションに引っ越すのをやめました。

7階の伏黒さんの部屋はスケルトンだったのですが、伏黒さんが絨毯を敷いたり床にペイントする事で、屋上から6階の赤海さんの部屋が見える事は無くなりました。

黒って単純じゃないのです。奥が深いですね。

美しい仕上がりを目指し、私たちは日々そっと地味に調整しています。


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