ニューノーマルがシニア層を変えた?シニアマーケティングのこれからを考える

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大にともない、人々の消費行動は大きく変化しました。ウィズコロナ時代の新たな日常・生活様式のことを「ニューノーマル(New Normal)」と呼びます。ニューノーマルはシニア層の消費行動にも影響を与えており、シニアマーケティングのあり方も見直しが求められています。本記事では、ニューノーマル時代のシニアマーケティングのポイントを解説します。


ニューノーマル時代のシニアマーケティングの4つの変化

新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受け、健康・公衆衛生への意識の高まりや、人と触れ合わないライフスタイルが生まれた結果、高齢者の消費行動は大きく変化しました。ルーツ・オブ・コミュニケーション株式会社の調べでは、シニア層の95%でなんらかの意識・行動変容があったことがわかっています[注1]。シニアマーケティングを展開するうえで、次の3つの変化に注目しましょう。


1. 生活様式変化による動画サービスの利用

シニア層の生活様式の変化にともない、新たな製品・サービスの需要が生まれています。 たとえば、外出自粛にともなうインターネット利用時間の増加により、高齢者の動画配信サービスの利用率が増加しました。株式会社AJAの調べでは、2020年4月時点で50代の80%、60代の73%が動画配信サービスを利用しており、2019年12月の調査より大幅に伸びています[注2]。ウィズコロナ時代のシニアマーケティングでは、こうした需要変化をとらえ、新規顧客を逃さないことが大切です。


2. 高齢者を中心に消費行動のデジタルシフトが進む

高齢者を中心に、消費行動のデジタルシフトが進みました。MMD研究所の調べによると、買い物の支払い方法のうち、「現金」が減った人は全体の73.6%である一方、「QRコード式のスマホ決済」や「タッチ式のスマホ決済」が増加しました[注3]。また、三井住友カード株式会社の調べによると、高齢者(60・70代)を中心にECモールや通販の利用が増加し、その増加幅は20・30代を上回っています[注4]。PCやスマホを使いこなす「デジタルシニア」が増加する一方で、オンラインでの手続きや画面構成につまずく高齢者も少なくありません。高齢者に限らず、「見やすく伝わりやすい」インターフェイスへの関心が高まっています。


3. 離脱を防ぐためにシニアには「見やすさ」「わかりやすさ」が求められる

ニューノーマル時代の消費行動の変化に対応するには、シニア層との顧客接点となる帳票・パンフレット・エントリーフォーム等の見直しが必要不可欠です。帳票やパンフレットが見づらく・わかりにくい場合、製品・サービスの購入や、重要事項の注意喚起に至るまでにユーザーが意欲を失い、購買プロセスの途中で離脱する可能性があります。たとえば、特別定額給付金の申請手続きをめぐっても、市区町村の窓口では多くのトラブルが発生しました。これからのシニアマーケティングでは、シニア層が見やすい・わかりやすいデザインの追求が欠かせません。


4. オンラインメディアだけでなく紙ベースの消費も増加

外出自粛がつづいたことで、PC・スマホなどのオンラインメディアだけでなく、新聞・雑誌などのオフラインメディアの消費も増加しています。株式会社ハルメクホールディングスの調べによると、「コロナ前と比べて頻度が増えたことは何か?」という問いに対し、28.3%のシニア女性が「紙の新聞・雑誌・本を読むこと」を挙げています[注5]。コロナ対策のため、イベントやセミナーの開催が難しいことから、一部ではマーケティングを控える動きも出ています。しかし、実は資料や広告が目に触れる機会が増加しているのが現状です。イベントやセミナーの代わりに、資料・パンフレットの発送や雑誌への広告出稿の頻度を増やすなど、コロナ禍でのシニアマーケティングは新たな工夫が求められています。


これからのシニアマーケティングはデジタルにも広がっていく

新型コロナウイルス感染症の感染拡大にともない、シニア層を中心に新たな製品・サービスの需要が生まれる中、新規顧客開拓のために顧客接点の見直しが必要です。

これまで、シニア層はデジタルに弱いという思い込みがあったかもしれませんが、ニューノーマルの時代では、シニア層もデジタルに触れはじめています。

このような新たなシニア層にアプローチしていくためには、カスタマージャーニーマップを作成し直し、シニアの行動にどのような変化があったかを確認しましょう。



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